🧾メモ:「頭頚部の筋膜」
🔹総論:頭頚部の筋膜とは?
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筋膜は固有受容器官として働き、
頭痛・顎関節痛・肩の痛み・嚥下障害・耳鳴り・めまい・視覚異常などに関連。 -
頭頚部では、正中線で左右の筋膜が融合。
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前方:頸部白線
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後方:項靭帯
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🩻 頭頚部の筋膜:2層構造
① 浅筋膜(superficial fascia)
▶ 共通構造
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頭頚部全体を包む線維脂肪層
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領域ごとに厚さや構造が異なり、名称も変化
▶ 頭部:帽状腱膜(galea aponeurotica)
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前頭筋・後頭筋・上耳介筋を結合する腱膜性構造
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SMAS(表在性筋膜系)および広頚筋の浅筋膜へ連続
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高度に血管新生されており、皮膚とは浅層皮膚支帯で結合
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深筋膜とは**DAT(疎性結合組織層)**で分離 → 滑走性に関与
▶ 側頭部:浅側頭筋膜(側頭頭頂筋膜)
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前方は前頭筋と眼輪筋、後方は後頭筋・上耳介筋に連続
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上方は帽状腱膜に接続
▶ 顔面:表層筋腱膜システム(SMAS)
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全ての表情筋を包む
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筋群(鼻筋・眼輪筋・皺眉筋・口輪筋・笑筋など)を線維ネットワークで連結
▶ 頸部:広頚筋 fascia
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浅筋膜が広頚筋と一体化しており、分離不可
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胸部・三角筋部の浅筋膜、背部の厚い浅筋膜、頭部の帽状腱膜へと連続
② 深筋膜(deep fascia)
▶ 頭部の深筋膜(単層構造)
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主に咀嚼筋・唾液腺を包む局所的な筋膜で構成される
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浅筋膜とは疎性結合組織で分離 → 滑走性の確保
✅ 代表的な深筋膜
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頭外被筋膜(頭蓋骨膜):帽状腱膜の深層、側頭筋膜と連続
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テノン筋膜(眼筋筋膜):眼球と脂肪の間に存在
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側頭筋膜:側頭筋を覆い、表層線維に付着
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耳下腺咬筋筋膜:頬骨弓〜耳下腺・咬筋を包む
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翼突筋膜:内外の翼突筋を包む
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頬咽頭筋膜:頬筋の後方〜咽頭筋までを結合
▶ 頸部の深筋膜(3層構造)
※ まだ明確な分類には議論あり
✅ 第1層:浅葉(被覆筋膜)
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頸部を襟のように囲む
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表層筋群を広く包む
✅ 第2層:中葉(固有筋膜層)
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板状筋・肩甲挙筋・菱形筋・後鋸筋を包む
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菱形筋の筋膜は前鋸筋筋膜と融合する
✅ 第3層:深葉(椎前筋膜)
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頚椎前部を包む深層筋を支持
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嚥下・咽頭・呼吸運動との関連あり
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