筋膜螺旋のマニュピレーション概要
1. 評価とアプローチ方法
筋膜は全身を連続的につなぐネットワークであり、適切な1点への刺激で問題解決が可能。
ただし、その点(治療ポイント)は痛みの部位には存在しない。
見つけ方の3パターン
-
痛みが1関節に限局 → 痛みの部位(CP)から筋膜単位の協調中心(CC)をたどる
-
痛みが複数関節に分散し、1つの平面運動で悪化 → 該当平面の筋膜配列を選択
-
痛みが複数部位・複数動作で悪化 → 筋膜対角線または筋膜螺旋の関与を疑う
痛みの広がり方と原因傾向
-
分節性 → 近傍に起源あり
-
1平面上 → 痛み部位に沿った複数点が原因
-
螺旋状 → 複数平面に分布する多数点が原因
2. 筋膜の機能
-
一方向の筋膜単位や筋膜配列を結合
-
分節の動きを螺旋状に結合
-
中枢神経系(大脳鎌・硬膜)の枠組み形成
-
胚発生時の神経誘導・神経鞘形成
-
求心性神経に運動方向の意味付け
-
筋・腱の整合性と滑走性の確保
-
関節包補強と靱帯連結
-
骨膜を介して骨の異常・骨折を伝達
-
血管や神経を鞘で保護
-
炎症・修復・代謝活動の場
-
外部と内部の温度をつなぐ
3. マニュピレーションの効果
-
筋膜の流動性回復 → 治癒プロセス活性化
-
外傷後の固定は筋膜の高密度化を誘発
-
関節可動域や運動機能の回復は、関節自体より関連する筋膜単位の治療で早期改善が可能
|
コメント