この章では、筋膜を構成する「材料」について学びます。ここを理解すると、なぜ「温める」や「動かす」が大切なのかが科学的に説明できるようになります。
【第1問】結合組織の「3大要素」は何?
結合組織(CT)は、大きく分けて3つの主要な構成要素から成り立っています。(図1.1を思い出して答えてください。)
- ヒント: 「生きた細胞」と、その周りを満たす「詰め物」です。
【第2問】筋膜の中で最も重要な「細胞」の名前は?
コラーゲン線維や弾性線維、そしてヒアルロン酸などの基質を自ら作り出し、筋膜の完全性を保っている主役の細胞は何でしょうか?
- ヒント: 傷が治る時にも大活躍する細胞です。
【第3問】「ヒアルロン酸(HA)」の役割として正しいのは?
筋膜の滑りに関係する「ヒアルロン酸」について、その主な役割は何でしょうか?
- ヒント: 疎性結合組織に豊富に含まれる成分です。
【第4問】コラーゲン線維「I型」と「III型」の違いは?
筋膜には異なるタイプのコラーゲンが含まれます。それぞれの特徴を一致させてください。
- I型コラーゲン
- III型コラーゲン
- 選択肢: A. 非常に細く、新しい組織が作られる際に最初に分泌される(網状線維)。 B. 最も一般的で、皮膚、骨、腱、筋膜に存在し、高い抗張力(引っ張り強さ)を持つ。
【第5問】「疎性(そせい)結合組織」と「密性(みっせい)結合組織」の違いは?
筋膜の分類において重要な2つの組織の役割の違いを答えてください。
- ヒント: 一方は「滑り」を、もう一方は「力の伝達」を担当します。
【第6問】脂肪組織の「WAT」と「BAT」とは何?
脂肪組織は、単なる貯蔵庫ではなく筋膜系の一部として重要です。それぞれの名称と特徴は?
【第7問】ヒアルロン酸の粘度を下げる(サラサラにする)には、何度以上の熱が必要?
徒手療法やマッサージで「摩擦熱」を起こすことの意義に関連します。
- ヒント: ウォーミングアップで体が温まった状態の温度です。
答え
①細胞、線維、細胞外マトリックス(ECM)
②線維芽細胞(Fibroblast)
-
- 解説: 線維芽細胞は歩行やランニングといった日常的な機械的負荷に反応して、新しい線維や基質を分泌します。
③組織間の「滑走(スライド)」をスムーズにする潤滑油の役割。
-
- 解説: ヒアルロン酸が豊富だと組織は滑らかに動きますが、不動や疲労(pH低下)によってこれがネバネバに固まると、痛みの原因になります。
④1=B、2=A
⑤
- 疎性結合組織: 基質が豊富で、筋肉同士の滑走を可能にする「クッション・潤滑材」の役割。
- 密性結合組織: 線維が密集しており、力を離れた場所に伝達する役割(腱や支帯など)。
⑥
- WAT(白色脂肪組織): エネルギー貯蔵とクッションの役割。皮下や内臓にあり、炎症性物質を出すこともある。
- BAT(褐色脂肪組織): 熱を産生する特殊な脂肪。赤ちゃんの背中などに多く、体温調節に重要。
⑦40℃以上。
-
- 解説: 40℃以上に達すると、ヒアルロン酸の分子鎖がほどけ始め、粘性が低下して組織の滑りが良くなります。
学習のまとめ
第1章では、**「線維芽細胞が線維や潤滑油(ヒアルロン酸)を作り、それらが適切なバランスで存在することで、体は痛みなくスムーズに動ける」**という基本原理を学びました。
次は第2章、皮膚のすぐ下の世界「皮下組織と浅筋膜」を攻略しましょう!
出典:Carla Stecco 著『筋膜系の機能解剖アトラス』第1章

コメント