From Muscle to the Myofascial Unit: Current Evidence and Future Perspectives
A. Stecco et al. (2023)
この論文は、「筋肉」と「筋膜」を別々に見るのではなく、両者が一体となって動作や感覚をつくる**“マイオファシアル・ユニット”**という新しい視点からまとめたレビューです。
筋膜に分布する受容器や神経、力の伝達のしくみについて、最新の知見をもとに整理されています。
💡 論文からわかった3つのこと
① 筋膜は“筋肉の一部”として働いている
筋膜は筋肉の外側を覆うだけでなく、内膜・周膜・外膜と連続していて、筋繊維と一体になって動作を支えていると考えられています。
つまり、「筋膜=ただの包装」ではなく、運動単位の一部として再定義されています。
② 筋膜は神経・血管・感覚の通り道
筋膜には自由神経終末や固有受容器、自律神経が分布しており、痛みや動きの感覚、血流の調整などに関わっています。
これにより、筋膜は「感じる膜」としても重要な役割を担っています。
③ 筋膜の不調は動作にも影響する
筋膜が硬くなる・癒着する・滑走性が失われると、力の伝達や感覚入力が妨げられる可能性があります。
その結果、慢性痛や運動制御の不調につながるリスクがあると指摘されています。
🏃♂️ じゃあ、どう活かせばいい?
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筋膜の状態を整えることで、運動の質が変わる可能性あり
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ストレッチや筋膜リリースは、感覚・神経・血流にも作用している
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慢性的な体の違和感には、「筋膜」もひとつのチェックポイントになる
🔚 まとめ
筋膜は、動き・感覚・痛みをつなぐ「第2の筋肉」のような存在。
筋膜+筋肉=マイオファシアルユニットという視点を持つことで、私たちの身体理解はもっと深まります。
今後も、こうした新しい研究をもとに、「筋膜とはなにか?」を深掘りしていきます!
📚 参考文献
Stecco A, Pirri C, Fede C, Macchi V, De Caro R.
From Muscle to the Myofascial Unit: Current Evidence and Future Perspectives.
Int J Environ Res Public Health. 2023 Jul;20(13):6452.
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