🌀体幹の筋膜配列とは?
Fascial Manipulation(筋膜マニピュレーション)の理論では、体幹は胸郭・腰部・骨盤に加え、頸部と頭部も含めて考えます。体幹の筋膜配列は、同側の上肢・下肢と連動しており、全身の動きと姿勢の調和に深く関わります。
🔁筋膜の構造と特性
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筋膜は弾性線維と波状のコラーゲン線維から構成され、ばねのような性質を持ちます。
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硫酸グリコサミノグリカン(水分保持)とフィブロネクチン(繊維束化)が滑走性を保証。
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筋膜はエネルギーを蓄え、効率的に放出できる唯一の組織。
📌体幹の6つの筋膜配列(モーションユニット)
▶️ 前方運動配列
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始まりは顔面の小筋群(眼下直筋、口輪筋、顎二腹筋など)。
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頸部では胸鎖乳突筋、胸郭~骨盤は腹直筋、腸腰筋が関与。
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筋膜の連続性により、顔~骨盤まで前方への運動が連鎖。
🔙 後方運動配列
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頭部:眼輪筋や前頭筋、帽状腱膜などの表層筋膜構造。
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頸部~骨盤:脊柱起立筋とそれを覆う筋膜(項筋膜~胸腰筋膜)が後方運動を同期させる橋。
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大殿筋は後方運動配列と下肢の後方配列をつなぐ。
🔽 内方運動配列(正中線の安定)
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外後頭隆起~上唇までの正中ラインが軸。
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口輪筋、頸部白線、腹白線、恥骨筋膜が連続したテンションラインを形成。
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骨盤の内方安定には、錐体筋や尾骨筋なども貢献。
🔼 外方運動配列(側屈・広がる動き)
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咬筋~胸鎖乳突筋~腸肋筋まで側方への引っ張り力を伝達。
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前方(肋間筋・腹斜筋)と後方(腸骨筋・腰方形筋)筋膜が胸腰筋膜外縁に収束。
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中殿筋が体幹の側屈を支える遠位の張力源に。
🔄 内旋運動配列(内向きの捻じれ)
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頭部~下肢まで、同側への回旋を生み出す筋膜のつながり。
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例:斜角筋、腹斜筋、鼠経靱帯、恥骨筋膜へと連続。
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内旋により全身の固定と調整を実現。
🔁 外旋運動配列(外向きの捻じれ)
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頭部は耳介筋、体幹は板状筋・後鋸筋・内腹斜筋が外旋を牽引。
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筋膜は外頭蓋筋膜から中殿筋まで連続。
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中殿筋が外旋運動配列の遠位張筋として機能。
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